WebディレクターはWebに縛られるな

投稿日:

Webストラジテストの丸山純一郎です。
Webストラジテストって何? というのはおいておきまして、その業務にはもちろんディレクションも含まれます。
私はコーダーからスタートしてテクニカル・ディレクターやWebディレクターやクリエイティブ・ディレクターをしてきましたが、Webディレクターとして業務に従事していたのが一番多いと思います。

そもそも昔は全部一括りにWebクリエイターでしたね。
デザイナーやコーダー(マークアップエンジニアorフロントエンドエンジニア)、ディレクター、プランナー、プロデューサー、マーケッターなどと細分化されていったのはその後で、今ではマーケティングストラテジストや、有名なものではデータサイエンティストなんかもありますね。
データアナリストなんてのもあります。
この辺は自分が得意とする分野が何なのかによってどんな肩書をつけるか自由な風潮がありますね。

Webディレクターってなんぞ概論

それではWebディレクターは何をするのでしょうか。

他の方も多く書かれているのが「進捗管理だけするようなWebディレクターは必要ない」とのことでした。
非常に同意見です。

この「進捗管理」の「管理」という言葉が結構語弊を産んでいて、Webディレクターはデザイナーやコーダー・プログラマーの1つ上流課程、ちょっとした上司にあたるポジションにあるかのように捉えられたりしますし、実際そう考えてる方もいるのではないでしょうか。
実際にはそんな縦型の構成ではありません。
ディレクターもデザイナーもコーダーも対等なポジションであり、共にプロジェクトを進めていく仲間です。
デザイナーはディレクターよりもデザインやUIに詳しいです。
コーダーは新しいコーディング技術についてディレクターより詳しいです。
というより専門家なのだから詳しくなければなりません。
だからディレクターはコーダーやデザイナーよりもディレクションに詳しくなくてはなりません。
完全な分業制というわけです。
対等な関係であり分業制であるからこそ、ディレクターからプログラマーやデザイナーになる人もいるわけです。
ディレクターになることがキャリアアップということはありません。
キャリアアップではなく、Webのどこに携わるかが変わるということです。

イマドキWebディレクターってどんなん概論

こちらについてはWeb担当者フォーラムで記事を書かせていただきました。

『2015年 Webディレクターに必須な11個のスキルまとめ』
http://web-tan.forum.impressrd.jp/u/2015/01/01/19007

読まなくても結構です。
簡単に言うと経営学やマーケティングや統計学など様々な知識が必要ですという内容です。
進捗管理やチーム内コミュニケーションスキルだけなら必要ないということです。

一昔前まではクライアントの要望をヒアリングし企画・提案し、というのが流れでした。
ですが今は違います。
市場や顧客を分析し、競合について研究し、リサーチしなければ企画はできません。

そしてさらに大きく変わったのはWebが企業の利益に直結するということです。
利益に直結するということは企業の経営に関わるということです。

私は明確に「ホームページ制作事業」と「Web事業」を区別しています。
ホームページ制作事業は従来のホームページを作る事業です。
Web事業はWebをいかに活用してクライアントに利益をもたらすか、様々な施策をとっていく事業です。

求められているのは利益の出る後者です。

ディレクターとは言っても、もはやディレクションだけやっていてはいつまでたってもホームページ制作事業なんです。
肩書にとらわれることなく、ディレクション以外の業務が必須となっています。

で結局求められるスキルとはなんぞや的なこと

Webには様々な役割があります。
広報・宣伝というのもあるでしょうし、集客というのもあるでしょう。
実際に購入してもらう販売チャネルとしての一面もあります。
また既存顧客とのコミュニケーションデザインの一面もあれば、ブランディングを促進させる機能もあります。

例えばA社が新商品を開発して、「これをPRしたい」と相談を持ってくることもあるでしょう。
PRはプロモーション活動です。
そしてプロモーションというのはマーケティングの1要素になります。
マーケティングの知識がなければプロモーションが出来ません。
ではマーケティングではどう考えるのか。
その新商品がプロモーション戦略を策定した上でマーケティング・プランと同時に開発された商品であれば問題ありませんが、とりあえず新商品を開発したという場合はどうでしょう。
果たしてその商品は正しいターゲットセグメンテーションができているのでしょうか。
商品のターゲットとWebのターゲットは同じである必要があります。
20代女性向けに作られた商品を、50代・60代男性向けにWeb活用しても仕方がないでしょう。
マーケティング計画と商品開発を同時に行えば最も効率も親和性も良いのです。

次にまた同じケースで考えます。
LPを作ってリスティング広告を出したくても
「そんな予算はないよ」「主力製品のほうに力をいれたい」などとなることもあるかと思います。
しかし、当初から「◯月は売れる時期だからこの時期にLP作って広告打ちましょう」と予めLPの制作費と広告予算を提案しておけば、商品のプライシングの時に、もう少し高めにして付加価値をつけようとなったりするわけです。

またLPについてもA/Bテストなどグロースハックを行うケースは多いですが、その◯%の差異が偶発的な誤差なのか、必然的にユーザーに意識させて出た結果なのか、それは統計学的に見て確かなものなのかどうか検討する必要があります。
同じA/Bテストを行って前回と今回じゃ結果が違ったなんてことじゃ意味がありません。

またアーンドメディアを活用しようとなった時にクライアントの組織内にSNSに記事を投稿することが可能な人材がいるのかどうか、誰が記事の内容をチェックするのか、組織内部においてSNSについての勉強会が必要なのではないかなども考慮する必要があります。

以上はマーケティング、統計学、組織について触れましたが、Webが経営に直結すれば、これらのスキルは必然的に持つことになります。

まとめ

結局、私たちに求められてるのは、それで利益が出せるかどうかなのです。
利益は金銭的なものでなくてもかまいません。
それこそ認知度だっていいわけですが、企業にとってはWebに投資するからには利益として回収する必要があります。

今年もO2O(O2S)オムニチャネルなど色んな記事が流れましたよね。
オムニチャネルの前はクロスチャネルなどが話題になってましたね。

もうここまできたらWebだけの提案でなくてもいいわけです。
実際、Webと一緒に名刺やロゴなどを受注してるところも多いでしょう。
DMだってアリなのです。
郵便局でも国勢調査と地図情報をあわせたGISを活用してますから、狙ったターゲット層に絞ってDMを打てるわけです。
センイチとかセンミツではなくなってきます。
サンプリングのサービスなども行っています。
イベントなどであればプレスリリースを出す提案なども可能なわけです。
Webが主軸ではあるけれども、Webだけに縛られない総合的な提案をクライアントにできる人材が求められています。

この記事は「Webディレクション Advent Calendar 2015」12月18日の記事です。
http://www.adventar.org/calendars/898